ボーン・アイデンティティ The Bourne Identity

2002年 外国映画 2ツ星 スパイ 記憶操作

あんまり悩まないのね

記憶喪失だが、殺しのテクニックに秀でている。何者かに追われている。罪のトラウマがある。アニメではおなじみのフォーマットだが、ロバート・ラドラムの原作がその源流かもしれない。アリキタリと言えばそうかもしれないが、お気に入りのフォーマットだから期待感は高かった。

ボーンがCIAエージェントであることは、予告編を見た人ならみんな知っている。映画の半分は予定調和だから、興味はボーンの内面描写に向けられる。
ぐだぐだ悩めば殺されるリスクが高まる。悩まなければ殺人マシーンと化す。一般市民の女性が、ボーンに「当たり前のこと」を教える──。
そんな展開を予測していたが、思っていた以上に淡白だった。悩むより行動。その一点につきる。パートナーも大した干渉はしない。そのくせ色恋はある。なんというか、思っていたより安っぽい。
タイトルに「アイデンティティ」とつけるほど、アイデンティティにこだわっていなかった。そのギャップに驚かされた。

ヨーロッパの町並みはよかった。重く、冷たい空気が、寂寥感を高めている。そこはよかった。

ジェイソン・ボーン
映画

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