獄門島 (全4回) / 古谷一行 横溝正史シリーズ #5 Gokumon-to | Hell's Gate Island
1977年 日本ドラマ 2ツ星 #金田一耕助「きがかわっているが仕方がない」
古谷一行による1度目の『獄門島』。
私は石坂版(1977)→古谷2時間ドラマ版(1997)→上川版(2003)、のあとに鑑賞した。最初のテレビドラマ化であり、全4回と時間があったから、原作に忠実だろうと思っていたが、そうでもなかった。また全体的に平坦な作りで、盛り上がりに欠ける。そう感じるのは、私が『獄門島』を見慣れてしまったせいかもしれない。
本作の三姉妹は凶悪で、殺されても仕方ないと思わせる。そのくせ死に顔は美しいため、奇妙な気持ちになる。生きてるときより、死んでいる方が魅力的なのだ。このあたりの演出はうまい。
20年後のリメイクと比べると、やはり古谷一行が若々しい。てこの原理を発見して周囲を駆け回るシーンなど、どうでもいいところに力が入っている。しかし犯人の心情に深く共感するような側面はない。快活で、裏表がなさそうだけど、なにを考えているかわからない。これは古谷版の金田一全体に言える傾向だね。
映画とテレビドラマでは、予算も作り方も異なる。毎週1人ずつ美女が殺されていく。それだけで十分おもしろかったはず。36年後に一気に鑑賞するのは、想定された鑑賞法ではないだろう。
金田一耕助 | |
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石坂浩二 | |
渥美清 |
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古谷一行 |
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鹿賀丈史 |
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豊川悦司 |
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上川隆也 | |
稲垣吾郎 |
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