恋におちたら -僕の成功の秘密- (全11話) Fall in Love -The secret of my success-

2ツ星

プロパガンダドラマ

ドラマの出来はいい。草ナギ剛の演技を観るのは初めてだったけど、特異なキャラクターを見事に演じきっていた。11話というスパンの中で、鈴木島男の紹介、成長、挫折、変節、傲慢、失脚、そして奪還と、起伏に富んだ展開がうまく盛り込まれている。その代わり、タイトルにある恋愛要素は置き去りで、最終回のキスも取って付けたような軽さだった。

しかし本作最大の特徴は、フジテレビがライブドアを批判するために制作したプロパガンダであること。2005年4月18日、ニッポン放送の経営権問題で、ライブドアとフジテレビが和解する。ドラマの放送開始は、その4日後だ。和解によってドラマの筋書きが変わったのかどうかは知らないが、フジテレビ経営陣の意向が働いていたことは疑いようもない。

ドラマでは、「世の中、カネがすべてじゃないんだよ」「拝金主義はよくないよ」と訴えているが、自己正当化のためにSMAPを起用したドラマを作ってしまうフジテレビは、逆に「世の中、カネがすべて」と証明しちゃってる。ドラマが好印象だった分、フジテレビは怖いと思った。