同じ月を見ている Under The Same Moon

2005年 日本映画 2ツ星 ドラマ 超能力

なんの深みもない

鉄矢は医者なのに、誰も救えていない。自分の弱さと向き合うのは立派だが、そこに成長はあっただろうか? ドンを犠牲にエミを手に入れて、幸福になれるんだろうか?

エミはかわいいだけで、心がない。鉄矢とドンの両方が好きだと言うが、ドンの放火を疑いもせず、鉄矢の呵責にも気づかない。天地がひっくり返るような鉄矢の告白にも動じず、以前と同じように2人を愛し、鉄矢と結ばれる。ちょっと理解しがたい精神構造だ。
蛇口の壊れた水道のように、誰でも愛せてしまうんだろうか?
それはそれで個性だが、そうにも見えない。

ドンはドンで、美しすぎる。鉄矢、エミと再会した直後に山小屋に突入したのは、死ぬためとしか思えない。それは誰かを助けるために命を投げ打つのとは、ニュアンスが異なる。
ひねくれた見方をすれば、ドンは死ぬことによって、鉄矢とエミに呪いをかけたのかもしれない。2人が結婚しても、決してドンを忘れることはできない。それこそ月を見るたび思い出してしまうだろう。これは、ドンの復讐だったのではないか?

同じ月を見ている──。
物語に秘められた切なさを、映画は表現できていない。

関連エントリー

2005年 日本映画 2ツ星 ドラマ 超能力
テガミバチ / 光と青の幻想夜話

テガミバチ / 光と青の幻想夜話

Letter Bee Light and Blue Night Fantasy
2008年のアニメ ★3

世界は特殊だが、物語は王道 「ジャンプスーパーアニメツアー08 -ジャンプヒーロー大集結!-」にて上映されたOVA。『テガミバチ』本編を見てないので、世界観はよくわからないが、テガ (...)

女の一生

女の一生

Une vie
2016年の外国映画 ★3

しっかり描かれているが、これで伝わるか? モーパッサンの長編小説を映画化。おおよそ原作通りに展開するが、映像で見ると不幸のインパクトが強まる。と同時に、ジャンヌの思慮不足が痛々しい (...)

藪の中

藪の中

1996年の日本映画 ★2

なぜ古典を題材に? 芥川龍之介「藪の中」の映像化作品だが、独自の翻案で意味不明な作品に仕上がっている。時系列が飛んで、夢と現実が錯綜し、さらに幻覚で目がくらむ。もう、なにがなんだか (...)

赤い天使

赤い天使

Red Angel
1966年の日本映画 ★4

手当された男は、みんな死ぬ。 ストーリー 日中戦争のさなか、陸軍病院に配属された西さやかの物語。 西は着任早々、負傷兵たちに集団レイプされる。西は自分を犯した男を救うため、軍医の慰 (...)

ピカレスク 人間失格

ピカレスク 人間失格

Picaresque No Longer Human
2002年の日本映画 ★2

どんな太宰を見せたかったの? 小説『人間失格』の映画化じゃない。太宰の人生に、ピカレスク(悪漢小説)要素は感じない。どんな太宰治を描きたかったのか? 時間はどんどん過ぎていくが、太 (...)

毛の生えた拳銃

毛の生えた拳銃

Ke no haeta kenjuu
1968年の日本映画 ★2

楽しめなかった。 貴重なフィルムらしい。どのように貴重かは、各位で調べてほしい。そしてその貴重さは、ファンにのみ通じるようだ。なんの事前情報もなく本作を見た私は、さっぱり楽しめなか (...)

ページ先頭へ