奇談 Kidan

2005年 日本映画 2ツ星 モンスター:妖怪

つまらなかった

あんな独特な漫画を実写映画化するのだから、そりゃ、なにを作っても文句が出るだろうが、それにつけてもつまらなかった。そして文句の多くは、映画化に際して追加されたシーンや設定にある。
主人公を女性にするのはいいが、神隠しと「はなれ」の殺人がリンクせず、最後まで浮いた存在になってしまった。稗田礼次郎はもともと浮いた存在なのだが、もうちっとからんでほしかった。神父が善次の死因を隠さなかったのも不自然だ。

原作を知らない人は、「妖怪ハンター・稗田礼次郎が、特殊能力で妖怪を退治するストーリー」と思ったかもしれない。そーゆー期待に応える義務はないが、そーゆー映画でないことは、早い段階で明示した方がよかっただろう。
稗田礼次郎は異端の民俗学者だが、ただの人間である。にもかかわらず怪しげな場所にホイホイ行ってしまうところに魅力があるのだが、そのあたりが再現できたとは言いがたい。

結局、安っぽいホラー(ゾンビ)映画みたいになってしまった。諸星大二郎の原作に光を当てたという意味では、まぁ、価値があったかもしれない。

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