[レビュー1979年06月20日に発表された 

アルカトラズからの脱出 Escape from Alcatraz

囚人 実話に基づく
更新日:2009年04月10日(金) 23:39 [Edit]

渇いたパンのように、淡々と描写される脱獄劇

脱獄は褒められることではないから、最低限の下ごしらえはある(所長の非情さ、友人の自殺など)。しかしそれ以上、内面に踏み込むことはなく、脱獄の行程を細かく、ていねいに描写することに徹しきっている。その渇いた視点がたまらない。

囚人たちの動作は決して俊敏ではない。またそれを追うカメラーワークも平坦だ。しかし音楽が緊張を高めてくれる。ゆっくりした動作にハラハラする演出は素晴らしい。

現実のフランク・モリスは、(遺体が見つかっていないにもかかわらず)水死と記録されている。果たして脱獄は成功したのか? その答えは誰も知らない。
ストーリー的におもしろいとは言えないが、強く印象に残る作品だった。

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