[レビュー1992年11月26日に発表された 

ねこひきのオルオラネ Oruorane of Playing Cat

ファンタジー:童話
更新日:2011年08月10日(水) 02:01 [Edit]

主人公は気づいているのか?

夢枕獏がこんなファンタジー短編を書いていたとは。アニメも素晴らしく、淡い色調に、国籍不明の世界観がよい。なにより、ネコたちの音色がたまらない。ソプラノ担当のマレット、アルト担当のイルイネド、そしてバリトンパートのショフレン。実際は猫の声じゃないけど、聞き惚れる音色だった。

ほのぼのした空気で物語は進んでいくが、つらい現実が一石を投じる。オルオラネによって仕事を奪われたバイオリン弾きは、主人公の同僚だったという。だとすれば、主人公もオルオラネによって仕事をなくしたクチではないか? 下手するとバイオリン弾きは主人公を襲っていたかもしれない。そのことに主人公は気づいているのか? 一人称なのに、よくわからない。

抜け落ちた自覚が、この物語のキモではないと思うが、妙に引っかかってしまうのだった。

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