あしたのジョー2 劇場版 Tomorrow's Joe The Movie 2

1981年 アニメ 4ツ星 スポーツ

簡潔にまとめられた第2部

原作漫画を再解釈したテレビアニメ第2期を、さらに2時間枠に整理した劇場版2。テレビアニメに先んじて結末が上映され、テレビアニメにも採用されている。試行錯誤が重ねられているため、ストーリーの展開や声優が少し異なる。カーロス・リベラをジョー山中が、ホセ・メンドーサを岡田真澄が声を当てているのだが、これはこれでよい。

矢吹ジョーは戦いを重ねるにつれ、遠い存在になっていく。カーロスの破滅は、死別より恐ろしい事件だった。そしてジョーにも破滅が近づいている。それでもジョーは揺るがない。すべてを賭けて、すべてを捨てて王者に挑む姿は、常人の理解を超えている。紀子ちゃんが「ついて行けそうにない」と暗闇に消えるのも無理はない。
ジョーの内面はあまり描かれないため、いかようにも解釈できる。わかるような、わからないような。それこそがジョーの魅力かもしれない。

そして沈黙のラスト。ジョーは死んだのか? 果たして明日はあるのか? あまりに眩しく、正視できない。やはり「あしたのジョー」は傑作だなと痛感した。

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