ザ・シューター / 極大射程 Shooter

2007年 外国映画 3ツ星 戦争

主人公は殺人マシーン

国によって鍛えられた殺人兵器、スワガー。裏切られても、愛国心を捨てきれない人間性と、いざ戦争となれば、尋常ならざる能力を発揮する非人間性を併せ持っている。放っておけば無害だが、手を出すと痛い目に合う。おもしろいキャラクターだ。新米刑事ニックとの組み合わせもいい感じ。

スワガーは長距離からの狙撃だけでなく、潜入工作や接近戦までこなしている。オールマイティすぎる気もするが、ゴルゴ13ほどではないか。長距離狙撃のシーンはもう少し増やしてほしかった。雪山での交渉も、いまいち盛り上がらない。

ラストは唐突にヒーロー的な行動に出るスワガー。これまで積み重ねてきた渋いリアリティはどうなっちゃうの。とはいえ、娯楽映画としての爽快感も捨てがたい。残念な気もするが、これはこれでいいような気もする。

スワガーの設定は、『装甲騎兵ボトムズ』のキリコを彷彿させる。そしてキリコも、後半はよくわからない変化を遂げていた。殺人マシーンで物語を作るのは難しいのかもしれない。それでもスワガーの活躍をもっと見てみたい。


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