ボーイズ・ドント・クライ Boys Don't Cry
1999年 外国映画 3ツ星 障害問題は当人ではなく、周囲の受け止め方か
どういう映画か知らずに見たので、かなり混乱した。主人公は女に見えるが男だと言い、しかし実際は女だった。女には男として愛され、男からは女として乱暴される。性同一性障害を描いているとわかっても、なお混乱はつづいた。
たぶん劇中の男たちも、私と同じように混乱していたのだろう。そして頭を整理するため、レイプしたんだと思う。レイプすれば、女として扱えるから。しかし考えてみると、男だと認識している相手に欲情できない。つまり男たちは、女性とわかる以前から、少なからず好意を持っていたのだろう。言い換えるなら、主人公は魅力的だったのだ。
性同一性障害は、当人より周囲に大きな影響を与え、ときとして極端な反応(愛憎)を誘発してしまう。そう考えると、問題の根深さがうかがい知れる。
考えさせられる映画だった。