プラダを着た悪魔 The Devil Wears Prada

2006年 外国映画 5ツ星 ドラマ 社会派

部外者であればこそ

おもしろかった。理不尽な上司に認めてもらうために努力すると、自分も理不尽な思考に染まっていく。それを「プラダを着た」とたとえるところは、センスがいいね。
豪勢に、傍若無人に生きるミランダは、あまり幸せそうに見えない。ファッション業界は感受性より、権威によって動かされている。皮肉を込めたメッセージに共感する。

しかし最後まで見て、気づく。とどのつまり、アンドレアは部外者だったのだ。
エミリーの視点を想像してみる。ファッションに興味がない新人がやってきて、自分を追い抜き、栄光を掴んだとたん、すべてを投げだし、去っていく。アンドレアは、まさに悪魔だった。エミリーはお下がりの服なんか受け取るべきじゃない。逆に言えば、服を受け取ってしまうところに、彼女の弱さ、限界がある。

その対象にあこがれているかぎり、追い抜いたり、変えることはできないのだ。

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