突入せよ! あさま山荘事件 The Choice of Hercules

2002年 日本映画 3ツ星 刑事・警察

「時々、だれと戦っているのかわからなくなるよ」

事件の背景を説明せず、ただひたすら「あさま山荘」への突入だけを描いた作品。メンツにこだわり、口先ばっかりで、働かず、責任をとろうとしない組織人たちにうんざりする。細かい演出が見事で、電線を切らなかったと叱られた上官が、次のシーンでみかんを食べているのには殺意を覚えた。いるんだよねぇ、ああいうの。一方、現場は現場で興奮しちゃって、危険を顧みなくなる。こんな状況で中間管理職はやりたくないな。

あとで知ったことだが、役所広司演じる主人公・佐々淳行は実名であり、しかも原作者だという。それをふまえると、ちょっと美化しすぎのような気もするが、同時にリアリティの重みも増す。いろんな配慮から語れない真実もあるんだろうね。やれやれ。

事件は解決したが、問題は解決していない。
その後、連合赤軍がどうなったか、関係者がどのように出世したかをつづってもらえたらおもしろかったのに。

ページ先頭へ