ネバーセイ・ネバーアゲイン Never Say Never Again

1983年 外国映画 3ツ星 #007 スパイ

老兵は死なず、ただでは消えず

007シリーズの番外編で、『007 オクトパシー』の4ヶ月後に封切られた。本作だけ見ればコミカルな印象を受けるが、ロジャー・ムーアのボンドもマンネリ化していたので、いい刺激になったのではなかろうか。

むろん五十路を過ぎたコネリーに、往年のキレはない。しかし上司の叱責にめげず、隙あらば女性を口説き、ズルい手で勝ってしまうところは、憎たらしいほど愛嬌がある。コネリーピンチの時にピンチの顔になるから、ハラハラしてしまう。

ラスト、ショーン・ボンドは危ない仕事は「ネバー・アゲイン(もうたくさん)」と断るが、美女に微笑まれてウインクするあたり、まだまだ油断できない。007は死ぬわけでも、引退するわけでも、現役をつづけるわけでもない。けっこう秀逸な幕引きだったと思う。

それから、殺し屋ファティマとの駆け引きがよかった。「私以上の女はいない」と言い寄るファティマに、よりよい女を思い浮かべて顰蹙を買うボンド。「回顧録ではきみを一番に書くつもりだった」という弁解もすごいが、その場で書けと迫るファティマにも脱帽する。たまらないよ。

子どものころに見て、2012年にふたたび鑑賞したが、おもしろかった。見どころも多い。シリアスだけどコミカル。そのバランスがよかったと思う。

007シリーズ
ショーン・コネリー
ショーン・コネリー
ショーン・コネリー
ジョージ・レーゼンビー
ロジャー・ムーア
ロジャー・ムーア
ティモシー・ダルトン
ティモシー・ダルトン
ピアース・ブロスナン
ピアース・ブロスナン
ダニエル・クレイグ
ダニエル・クレイグ

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