デッドライジング2 (Xbox360) DEAD RISING 2

2010年 ゲーム 5ツ星 モンスター:ゾンビ @CAPCOM

「この国の生活の代償が、小さな街ひとつなら安い」

あらすじ(結末まで)

ウィラメッテのアウトブレイク(前作)から5年後。アメリカ各地でアウトブレイクが発生し、ゾンビは身近な脅威になっていた。治療法はなく、「ゾンブレックス」という薬でゾンビ化を抑制しつづけるしかない。ゾンブレックスは生産が追いつかず、高値で取引されていた。

モトクロスの元チャンピオンであるチャック・グリーンは、娘のケイティーがゾンビ感染者になってしまったため、ゾンブレックスを求め各地を転々とする生活を強いられていた。チャックはフォーチューン・シティで開催される悪趣味な競技『テラー・イズ・リアリティー(TiR)』に参加。見事、優勝する。
安心したのも束の間、フォーチューン・シティでもアウトブレイクが発生。あふれかえるゾンビを押しのけ、ケイティーを連れてセーフハウス(避難所)に逃げ込むが、手持ちのゾンブレックスはなくなっていた。おまけにチャックの顔と名前が、アウトブレイクを起こしたテロリストとして報じられてしまう。軍の救助が到着するのは72時間後。それまでに必要なゾンブレックスを集め、身の潔白を証明しなければならない。

チャックは武器を改造し、フォーチューン・シティを駆け巡った。ゾンビやサイコパス、盗人たちを撃退していく。またガスによって凶暴化したガスゾンビや、チャックをねらう傭兵にも遭遇した。その中でチャックは、果てしない人間の欲望と狂気を見た。

[ネタバレ]

アウトブレイクを起こしたのは製薬会社のフェノトランス社だった。莫大な利益を生むゾンブレックスは、ガスゾンビから採取される女王蜂を原料に精製される。アウトブレイクを起こせば原料が手に入るだけでなく、ゾンビの脅威によって価値を釣り上げることもできる。富める者の欲望が、さらなる悲劇を起こしていたのだ。

チャックは疑惑を晴らし、現場の仕掛け人や実行犯を撃退するが、軍の救助ヘリに乗れなかった。しかし娘は無事だし、信頼できるパートナーも得た。絶望的な状況の中、3人は手を取り合って脱出を試みる。

1作目でゾンビ発生の原因がわかっているので、2作目への期待感はなかったが、物語が進むにつれて前作以上の恐怖に遭遇した。
「ゾンブレックス」は治療薬ではなく、ゾンビ化を先延ばしする抑制剤でしかない。感染者の寿命は、財産が尽きるか、家族に見捨てられるまで。なんて恐ろしい薬だろう。感染者がいない家庭でも常備したいだろうから、どれほどの需要、どれほどの利益が得られるか想像を絶する。まさに悪魔の薬。完全な治療法が確立されても、秘匿されてしまいそうだ。そんな馬鹿なと言いたいところだが、説得力がありすぎて困る。
ゾンビは災害でしかない。人類より自分を優先する人間こそが敵であり、諸悪の根源だ。だのに黒幕は手の届くところにおらず、プレイヤーに打つ手はない。もう、いやになるほどリアルだった。

サイコパスのお気に入りは変態ランディーと、みんな大好きスラッピー。TKの分厚い唇も印象に残る。個人的に驚かされたのはレベッカ。身勝手なやつと思っていたが、まさかの展開。デッドライジングの脚本は油断ならない。

前作より自由度が増して、いろんな遊び方(殺し方)ができるようになった。もちろんゾンビパラダイスで殺戮に興じたところで、なんの意味もないが、楽しいから困る。コンボ武器がたまらない。あぁ、人間は本当に駄目な生き物だ。




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