姑獲鳥の夏 Summer of the Ubume

2005年 日本映画 2ツ星 探偵 推理

事件より探偵が目立っている

謎を追う者が、いつしか謎の一部となる。驚きの展開のはずが、唖然としてしまった。事件より探偵が理解できない。いや、登場人物全員が不可解だ。小説家は信頼できない語り手だし、私立探偵は心が読める。新聞記者は時代にそぐわぬ美女で、京極堂は相談を持ちかけられる前から答えを述べていた。おまけに音と光が強烈で、脳をビシバシ叩かれているような錯覚に陥った。長編小説を2時間の映画にするのだから、いろいろ描写が省かれているのだろう。そう思いたい。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

いや、そんなことはない。

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