ツォツィ TSOTSI

2005年 外国映画 3ツ星 ドラマ 主人公は犯罪者

ドラマが足りないドラマ

やりたいことはわかる。どんな感想を言うべきかも......。しかしそのためには、観客がかなりの部分をイメージ補完しなければならない。そのくらい心理描写が足りてない。むろん、すべてを言葉で説明する必要はないし、おおむね察することはできる。しかし心理描写の足りないドラマは、あらすじと変わらない。もう少し掘り下げてもよかったのではないか。

他者の生死に無頓着だったツォツィ が、どうして赤ん坊を無視できなかったのか? 「ツォツィはアパルト政策の犠牲者であって、根っからの悪人ではない」などというのは、楽観的な思い込みにすぎない。少なくともツォツィにとっては、世界がひっくり返るほどの変化があったはず。さらっと流すことはできない。

まぁ、悪人の更正に合理的な説明を求めてしまうのは、私自身が荒んでいるせいかもしれない。

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