MW-ムウ- 第0章 ~悪魔のゲーム~ MW Chapter 0: Akuma no Game

2009年 日本ドラマ 3ツ星 テロ @手塚治虫

これがプロローグだって?

『MW』の宣伝用に作られたテレビスペシャル。のちに本編を見たけど、まったく関連がなかった。第0章にそそられ劇場に足を運んだ人は、あまりのちがいに腰を抜かしただろう。逆に、映画→テレビスペシャルの順で見ても困惑する。テレビ局は話題づくりのためなら、なんでもやっちゃうんだな。

映画本編を無視すれば、まぁ、ふつうに楽しめる。社会に見捨てられた青年が生き残るため、そして正義のため、正体不明の指示に翻弄される。本当に世界を変えることができるのか? 箱を開けないことで夢を見て、開けることで落胆する。いったい誰が主人公を責められるだろう。なかなか興味深い。

しかしすべてが罠だとわかったとき、興奮はすぅっと醒めた。MWの情報を引き出すことが目的なら、運び屋をさせる必要はない。テロリストの活動資金を集め、その罪を追わせることが目的なら、爆弾で殺す必要はない。巧妙に仕組まれているように見えるが、雑な計画だ。ぶっちゃけ、映画本編とからませた部分が浮いているのだ。

社会に絶望した青年が、社会を変えたいと願って、テロリストに利用され、すべてを失う。これが映画のプロローグでなければ、もっとおもしろくできたと思う。しかし映画の宣伝でなければ、制作予算は出なかった。世の中、ままならない。

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