H.G.ウェルズのS.F.月世界探険 First Men in the Moon

1964年 外国映画 4ツ星 SF:ファーストコンタクト 宇宙開発

ほとばしるセンス・オブ・ワンダー!!

科学考証がメチャクチャな映画は多いが、本作ほど奇想天外で、ワクワクする作品があるだろうか? 本書が発行されて100年、この映画が制作されて50年、人類の科学は進歩したが、想像力は退化したのではないか。正直、ここまで楽しめるとは思わなかった。

前半は準備編。なかなか月に旅立たないのでヤキモキするが、月旅行の仕組みをていねいに説明してくれるから、その気になってしまう。頭がいいのに間抜けな博士、何度もドアを開けっ放しにするケートも魅力的。
後半は冒険編。重力を遮断するペンキを受け入れてしまえば、宇宙船が丸いことも、転がって着陸することも、真空に素手をさらしたり、ヘルメットをなくしてしまうことも、芋虫に骨格があることも、なんでも許せてしまう。月は人智を越えた世界だった。もう認めざるを得ない。

『宇宙戦争』を思わせるラストも、まぁ、しゃれている。これは博士が意図していた結末なのだろうか? その偉大さは、歴史の教科書に載せる価値があるね。

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