アルゴ探検隊の大冒険 Jason and the Argonauts

1964年 外国映画 3ツ星 ファンタジー:剣と魔法

古いけど、新鮮

ぶっちゃけストーリーは粗い。演出不足より、プロットの時点で粗い。主人公・ジェーソンは悲運の王子だがが、他国の宝物(黄金の羊)を奪い取っていいのか? 神々は人間をゲームのコマのように扱っているが、誰もそのことに疑問を抱かないのか? 仲間たちの交流も、ヒロインとのロマンスも中途半端。そして唐突すぎるラスト。壮大なシリーズの第1作目のようだ。これらの特徴は、原典であるギリシア神話の叙事詩に忠実であるがゆえかもしれない。かなり異様なんだけど、それがまた本作の魅力になっている。

特撮シーンは素晴らしい。21世紀のCGに比べればチープだが、独特の説得力がある。ストップモーションのぎこちなさが、怪物をより怪物らしく見せるのかもしれない。地に足がついたアングルにも注目したい。昨今のCG映画は視点(カメラ)が飛んだりまわったりするから、臨場感がないんだよね。当時としては意図した効果ではなく、そうとしか撮れなかっただけかもしれないが、学ぶことは多い。

おもしろいとは言えないが、独特の魅力がある。映画ファンは見ておくべき1本だろう。

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