のんちゃんのり弁 Nonchan Noriben

2009年 日本映画 3ツ星 グルメ ドラマ 社会人

泣くほど努力したことが描けていない

主人公が仕事として作った弁当は、家族のために作るのり弁とは別物だった。そこに、仕事のリアルが潜んでいる。主人公は自分のことを、「泣いたことがないから弱い」と言っていた。つまり、泣くほど努力したことがないのだ。そんな彼女が泣いたのは、仕事のリアルに打ちのめされたからだろう。31歳の母親としては違和感があるが、中学生なら意味がわかる。子どもの手が、大人の手になろうとしている。
また嫌いな旦那と縁を切らず、好きな建夫になびかなかったことも、彼女の成長を示している。ままごとは終わったのだ。

……が、そうした意味を劇中から読み取るのは難しい。時間はたっぷりあったのに、演出が散漫になっている。泣くほど努力したことを、もうちょい描いてほしかった。

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