悪夢のエレベーター Elevator Trap

2009年 日本映画 5ツ星 ドラマ 密室 推理

心地よい密室サスペンス

深夜、マンションのエレベーターに閉じ込められてしまった4人の男女。テンションが高い空き巣、ひとの心が読める中年、妻の出産に駆けつけたい色男、自殺直前だったゴスロリ少女……。彼らの説明はどことなく不自然だが、ほどなく真相が明かされる。

前半がテンポよかったので、回想シーンは冗長だった。しかし後半、それが新たな伏線になるのはいいね。なかなか見事な構成。かすかな違和感が1つずつ解消されていく展開は心地よい。
惜しむらくはペナントレースになぞらえた人生の悲哀がうまく描けてないところ。主人公にバットを振るチャンスはあったのか? この事件は消化時代中に起こったのか、消化時代になった原因なのか?
トリックも伏線が足りなかったり、おかしいと思う点はあるが、「ここが○×だったら」と思うのは本作を気に入った証拠なんだろうな。感動巨編ではないが、おもしろかった。

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