ピーター・パン (ブエナ・ビスタ版) Peter Pan

1953年 外国映画 5ツ星 #ピーター・パン ファンタジー:童話 主人公は子ども 異世界に召還 @ディズニー

なぜウェンディはピーターを捨てたのか?

世界中の子どもたちに愛されてきた夢と冒険の物語。ディズニーのアレンジでは勧善懲悪が前面に押し出されているそうだが、どうしてどうして、童話特有の「怖さ」が残っていておもしろかった。

永遠に大人にならないってのは、素晴らしいことなんだろうか? 子どもの純粋さだけでなく、無垢な残酷さも秘めたピーターパンは、ある意味、呪われていると思う。ロストボーイたちは、要するに捨て子だ。彼らが求める異性は「母親」のみ。ネバーランドってのは、妖怪の国ではなかろうか。フック船長は大人だが、その言動はひどく子どもっぽい。大人かどうかは、肉体的な年齢ではないのだろう。

よくわからないのはウェンディ。あれほど大人になることを嫌がっていたのに、さしたる理由もなく考えを翻してしまった。つまり彼女は、子どもで居つづけようとするピーター・パンや、大人になれないフック船長の醜悪さに気づいてしまったのだ。
「こんな連中と、こんなところで遊んでいられない。家に帰ろう。私は恋をして、女になりたい。」
ファンタジックな物語の中で、ぞっとするほど冷静なウェンディ。渕崎ゆり子の声がぴったり合っている。

ラストもわからない。両親はネバーランドのことを知っていたのか? 知っていたなら、どう思っているのか? ネバーランドは素敵なところではなく、「はしか」のような病気かもしれない。両親も子ども時代は「はしか」になったが、もう遠い思い出だ。そして今、娘も「はしか」を経験し、回復した。そのことを喜んでいるのかもしれない。

41歳になって、はじめて鑑賞した。いろんな知識や経験があるから、物語に秘められた「毒」に気づくことができた。しかし子どもにわからない、という意味ではない。子どもたちは冒険物語に興奮しつつ、「毒」があることに気づくのだろう。

ピーター・パン
ディズニー
映像作品
ティンカー・ベル

関連エントリー

1953年 外国映画 5ツ星 #ピーター・パン ファンタジー:童話 主人公は子ども 異世界に召還 @ディズニー
ピーター・パン2 ネバーランドの秘密

ピーター・パン2 ネバーランドの秘密

Return to Never Land
2002年の外国映画 ★4

子ども向けになったピーターパン 47年後に制作された続編。第2次世界大戦中のイギリスという舞台設定が秀逸だ。陰鬱な時代にあっても、母親ウェンディはどこか浮世離れしている。一方、娘の (...)

ティンカー・ベルと月の石

ティンカー・ベルと月の石

Tinker Bell and the Lost Treasure
2009年の外国映画 ★3

突っ込むか、受け入れるか 『ティンカー・ベル』シリーズ2作目。いかにして月の石を復元するか? あれこれ予想を立てたけど、意表を突いた解決策に驚き、感心した。 ティンクは自分勝手で、 (...)

ネバーランド PART2 ピーター・パンとフックの海賊船

ネバーランド PART2 ピーター・パンとフックの海賊船

Neverland Part2
2011年の外国映画 ★4

ピーター・パンは成長していいのか? あらすじ(結末まで) 1906年のロンドン。快活で義理堅い少年ピーター・パンは、貧民街で盗賊団を率いていた。ある日、骨董屋から盗んだ光る球によっ (...)

ネバーランド PART1 ピーター・パンと魔法の石

ネバーランド PART1 ピーター・パンと魔法の石

Neverland Part1
2011年の外国映画 ★5

素晴らしいSFファンタジー! 二夜連続で放送されたアメリカのテレビドラマ。レンタル版は『PART1:ピーター・パンと魔法の石』『PART2:ピーター・パンとフックの海賊船』に分けて (...)

ピーター・パン (実写映画)

ピーター・パン (実写映画)

Peter Pan
2003年の外国映画 ★5

そして少年は大人に、なれない ディズニー版(1953)はわかりにくいが、深みがあった。その続編(2002)はわかりやすいが、深みはなかった。実写版はわかりやすく、深みもある。おもし (...)

ティンカー・ベルと流れ星の伝説

ティンカー・ベルと流れ星の伝説

Tinker Bell and the Legend of the NeverBeast
2014年の外国映画 ★3

試される妖精たち あらすじ ある日、ピクシー・ホロウの空に緑に輝く彗星が流れた。その後、森から大きな怪獣が目覚める。フォーンは怪獣を「グラフ」と名づけ、観察し、打ち解けていく。しか (...)

ページ先頭へ