[レビュー1995年11月03日に発表された 

フェア・ゲーム Fair Game

刑事・警察 恋愛
更新日:2013年05月22日(水) 15:16 [Edit]

吊り橋効果のサンプル

どこかで見たことあるなと思っていたら、『コブラ』(1986)と同じ小説を原作にしていた。比べるとアクション性、ヒーロー性は抑えられてはいるが、やはり緊張によって刑事と女弁護士が理性を失い、セックスするシーンは笑えた。おまけに最中に襲ってきた兵隊を、女弁護士はみずからの手で射殺している。吊り橋効果で興奮し、セックスすることで気持ちが切り替わったのだろう。変な話だが、セックスしていなければ(反撃できず)殺されていただろう。

敵組織の行動がいまひとつ抜けているのは愛嬌だな。大金を手に入れるためとはいえ、ここまで騒ぎを大きくする必要はない。あれほど殺そうとしていた女弁護士を、傷つけずアジトに連れてくるあたり、良心的すぎて泣けてしまった。自分が仕掛けた爆弾で死ぬラストも、じつに好感がもてる。

気に入った演出は、女弁護士が子どもを叱る母親を殴りつけたところ。短いヤリトリに彼女の性格がよくあらわれている。その調子で事件解決後の話も少し描いてほしかった。ハッピーエンドと言うには被害が甚大だし、緊張が去ればふたりも夢から醒めるだろう。そこを描かないのがハリウッドの流儀だが、踏み込んでこそ得られる評価もあるはず。

それから、1995年当時のIT事情がわかるのもいいね。パソコンに詳しい男は変人扱い。敵組織のエンジニアが使うキーボードもごっつい。自宅のサーバからデータを読み込んでいるのに、警察に伝えるにはファックスしかない。そういう時代だったね。

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