パレード Parade

2010年 日本映画 1ツ星 主人公は犯罪者 日常を描く

演出がすべってる

若者たちの日常がえんえん描かれ、気を失いそうになる。たっぷり時間をかけて、ていねいに描写されているのだが、どうにも共感できない。最後の最後に「真相」が明かされるのだが、そこから物語が展開することはない。これは起承転結の「転」じゃないのか?
「嫌ならば出ていけばいいし、ここに居たかったら笑っていればいい」
表面的には仲良く見えるが、心の底から向き合うことはない? そんなの当たり前だろう。むしろ不可解なのは、そんな共同生活を維持しようとする精神構造だ。そんなに独りはいやなのか? そばにいてくれるなら、誰でもいいのか? 隣室の売春には嫌悪感を示すのに、同居人の性癖には寛容なところも理解を絶する。

登場人物の奇癖が、物語のテーマを埋没させている。彼らは特殊な事例なのか、今時の若者はみな似たり寄ったりなのか、そこさえもわからなかった。

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