涼宮ハルヒの消失 The Disappearance of Haruhi Suzumiya

2010年 アニメ 5ツ星 セカイ系 学校 超能力 @京都アニメーション

なんでもない日常を、これほど劇的に描いた映画もない

ちまたでは長門に萌える人が多いのを不思議に思っていたが、映画を見て納得。これは破壊力があるよ。ふだんの無表情を知っていればなお、その感動も深い。
キョンは日常(入部届)と非日常(しおり)の選択を誤ったのではないか。もう一度改変したら、ちがう選択をするのではないか。そう思えてならない。

演出も素晴らしい。164分もあるのに、ぜんぜん飽きさせない。季節(体感温度)の変化、見知らぬ女生徒との距離感、不安の中で希望を見いだしたときの興奮など、「空気」の表現がべらぼうにうまい。
また、一人称視点では見えないところを想像させるヤリトリも見事。たとえば、(改変後)の小泉の内面は、短いつぶやきからうかがい知れる。あるいはキョンが意識不明のあいだにハルヒがどれほど心配してくれたかも。ぶるるっと胴震いしたよ。

仮に、改変後の世界を選んでいたとしても、姿勢は変わらない。「いま、ここにいること」を感謝しよう。そして一日一日を大切に生きよう。

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