魔法にかけられて Enchanted

3ツ星

悪いのは1人だけ

ロバートがジゼル姫を受け入れていく過程がていねいに描かれたので、その後の展開が説得力をもつ。頭の軽い王子も、意外にロマンチストな婚約者も、悪人面の家来も、みんながハッピーになれる結末はお見事。悪いのはすべてナリッサ女王だけ。ちょっとかわいそうな気もするが、やむを得ないか。

アニメパートもよかったが、飛び出す絵本を使ったシーン展開が印象的。21世紀の技術が使われている。実写とアニメの合成は昔からあったが、これほどの完成度はなかった。本作は子どもより、昔を知ってる大人の方が驚いたのではないだろうか。

ジゼル姫の指示でゴキブリが風呂の掃除をするシーンは、かなりインパクトがあった。きれいに見える風呂も、じつは……と思うとぞわぞわする。浮かれた気分になれる映画だが、ここだけは苦手だった。