大奥 <男女逆転> Ooku

2010年 日本映画 5ツ星 SF 時代劇

歴史SFだった!

安直な逆ハーレムものと思っていたが、「男女比が大きく偏ったら?」というIFを加えた歴史SFだった。原作1巻分のみを映画化しているので、「なぜ大奥がああなったのか」は明かされないが、状況設定には説得力がある。キャラクターは魅力的だし、ドラマの盛り上がりも十分。これほどおもしろいとは思わなかった。

武家の男子と言えど、あのような社会で育てば女のように嫉妬や見栄に狂うのも頷ける。いや、男は本質的に嫉妬深くて見栄っ張りじゃないのか? 社会が影響するのは、その表現方法だけじゃないか? 映画を見てると、性差についての疑問が次々に湧いてくる。とても刺激的だ。同じような刺激を『家畜人ヤプー』からも受けたが、あそこまで強烈じゃないから、心地よく考えられる。

余談だが、映画鑑賞後に原作漫画を7巻まで読んだ。じつにおもしろい。すべて映像化してほしいけど、難しいかなぁ。多くの若者に読んで、考えてほしい。社会と性差、そして自分の幸福について。

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