悪魔が来りて笛を吹く (西田敏行) The Devil Comes and Plays His Flute
1979年 日本映画 3ツ星 #金田一耕助 探偵西田のユーモラスも通じない
2019年に鑑賞。西田敏行は当時32歳で、女性のまえで照れたり、抜けたところは西遊記(1978)の猪八戒を彷彿させる。椿美禰子(斉藤とも子)が血統を呪ったとき、「ぼくだって流れてますよ、かなり汚いのが!」と言うのは笑えた。
「西田敏行らしさ」が出るシーンはいいが、ふだんの佇まいに「金田一耕助らしさ」は感じられない。難しい顔をしても、なにも考えてないように見える。
金田一は流されるだけで、意思を感じない。だからラストで、親友の等々力警部に「ぼくは警察じゃありません(だから捜査に協力する義務はない)」と言うのは驚いた。警部も困っていたが、そりゃそうだ。
どうにもイメージが固まらない。若い、ということか。
「天銀堂事件」はさらりと流され、印象に残らない。金田一が登場し、事件が起こり、捜査がはじまるが、なにが問題で、なにを探しているのか、わからなくなった。
椿秌子(鰐淵晴子)は近寄りがたく、椿美禰子(斉藤とも子)はすぐ抱きついてくる。どちらにも好意を感じない。うむむ。
終盤、思い出したかのように金田一が謎解きするが、事件の注目点が見えてないから、「そうだったのか!」と膝を打つこともない。あとに残るのは、近親相姦がもたらす悲劇だけ。
なぜ西田敏行を起用したのだろう? 「八つ墓村」渥美清も本編の出番は少なく、金田一耕助と言うより渥美清がウロウロしていたが、最後の語りで挽回された。「悪魔が来りて笛を吹く」の西田敏行には、そうした見せ場がない。西田の明るさをもってしても、本作の陰鬱さは払拭できなかった。だったらなぜ起用したのか? それこそミステリーである。
金田一耕助 | |
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石坂浩二 | |
渥美清 |
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古谷一行 |
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鹿賀丈史 |
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豊川悦司 |
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上川隆也 | |
稲垣吾郎 |
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