13日の金曜日 PART7 新しい恐怖 FRIDAY THE 13TH PART VII: THE NEW BLOOD

1988年 外国映画 3ツ星 殺人鬼 超能力

今度の敵は超能力少女!

私は『13日の金曜日』シリーズを最初から見ているわけじゃないが、本作がハメを外しているのはわかる。しかしふざけてるわけじゃない。
冒頭、「これまでのジェイソンの活躍」が紹介される。ジェイソンは狙った敵を逃さない。まれに倒されることはあったが、そのたび復活してきた。強い! 我らがヒーロー、ジェイソン! 今度の敵は超能力美少女だ。これほど強いジェイソンを相手に、超能力は通用するのか? 期待値が高まる。

「超能力をもった少女」とくれば、「能力をコントロールできない」と修飾されるのは物語の常だが、主人公ティナは完全に使いこなしている。怒って父親を殺してしまったことも、過剰防衛ではあるものの、意に反することではない。能力は強く、種類も多く、かなり細かい操作ができるのに、本人は「コントロールできない」という言い張るのはずるい。
ティナは湖に沈んだ父親を復活させようと念じるが、そばで沈んでいたジェイソンを目覚めさせてしまう。おいマテ。それってほんとに超能力か? ティナは迷わず実行したから、何度か生き物を蘇生した経験がありそう。まじか。
んでジェイソンは、どれほど湖に沈んでいたか知らないが、蘇生するなり鎖を外して浮上。平然と活動を再開。1分も10年も関係ないようだ。本作のジェイソンは身体がゾンビのように見えるが、特殊能力はない。いつものジェイソンだ。

こっからジェイソンの殺戮タイム。なにも語らず、なにも変わらず、てきぱき若者たちを殺していく。道具を使ったり、女の子が入った寝袋を木に叩きつけたりと、知性や狂気を感じさせるところが怖い。熊に襲われるのとはわけがちがう。
殺戮タイムは思いのほか長く、主人公がほぼ関与しないため、だるい。
「てぃ、てぃ、てぃ......」「はふ、はふ、はふ......」
と、同じBGMが繰り返されるのも一因。気が狂いそうになる。

ティナを利用していた医者とか、オタクの純情を踏みにじる金髪美女とか、ジェイソンの鉄槌を期待するキャラクターが混じっているのもいいよね。ただ、それほど特別な殺し方じゃなかったのは不満。穴を空けたり、引き裂いたりするのは、予算的に厳しかったか。

終盤、いよいよジェイソンとティナが対決する。母親の死によって怒りゲージMAX。倫理の制約解除。どうなるかと思ったら、ティナ、めちゃくちゃ強いんでやんの。ただ念力でモノを投げるだけでなく、切った電線で感電させる、コードで首を吊る、ガソリンをかけて火をつけるなど、さまざまな方法でジェイソンを追い詰める。屋根が落ちてきたとき、ジェイソンは明らかに驚いていた。よろめくジェイソン。がんばれ! 立つんだ!

何度も倒れ、何度も起き上がるジェイソン。ついにティナを羽交い締めにする。よし、もう逃げられない。そこだ! 握り潰せ! と思ったら、ティナは恐るべき超能力を繰り出してきた。これはまったく予想外で、備忘録であるこのレビューにも書けない。もし将来、自分が結末を忘れていたら、もう一度見てもいいくらい。

いやぁ、映画っていいもんだわ。

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