燃えよドラゴン 龍爭虎鬥 | Enter the Dragon

1973年 外国映画 5ツ星 アクション カンフー スパイ

やっぱ、すごいな。

これまた子どもの頃に見て、細部を忘れ、2021年に再視聴した。いやー、すごかった。ブルース・リーのハリウッド進出作。本作によってカンフー映画ブームがはじまり、アクションスターが徒手格闘を見せ場にすることが当たり前になった。
しかし48年で見せ方も進化したから、いま見ると野暮ったく見えるかもしれない。と思っていたが、杞憂だった。

ブルース・リーの動きはかっこいいだけでなく、強そうで、痛そうで、とにかくリアル。技の巧みさは、鍛え抜かれた筋肉と、慎重かつ大胆な性格に裏打ちされている。寡黙ではないが、感情をあらわにしない。ユーモアはあるが、戦いでは容赦しない。ほかの武芸者と異なり、後継者を育成している。不思議な魅力がある。

3年に1度の武術トーナメントを舞台にしているが、試合は行われない。スパイ要素が緊迫感を盛り上げる。外国人も拳法を駆使するが、それゆえリーの強さがきわだつ。拳法を超えたものを感じる。見どころは地下施設への侵入から。群がる敵を薙ぎ払い、棒、混、ヌンチャクと持ち替えていく展開はめっちゃ興奮した。ストーリーじゃなく、アクションに魅了される。

囚われたら座る。慎重に隠し扉をくぐる。ボス戦の最中もザコを倒す。傷口の血を舐める。去るときはあっさり。また見たくなる。なんだろうね。リクツじゃ推し量れないものがある。
パーフェクトな映画と絶賛するつもりはない。しかし半世紀を経ても強い影響力がある。映画ファンは一見の価値があるだろう。

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