ナイト・オブ・ザ・リビングデッド / 死霊創世紀 Night of the Living Dead

1990年 外国映画 4ツ星 モンスター:ゾンビ 文明崩壊後

見どころはラスト。

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のリメイク作品。原典とのちがいは下記の通り。

・「ゾンビ」と明言する。
・バーバラがしだいに強い女性に変貌していく。
・ベンがハリーの娘を射殺したことで、2人は殺し合いをはじめる。
・ベンが地下室でガスタンクの鍵を見つける。
・自警団がレジャー感覚でゾンビ狩りをしている。

墓石に頭をぶつけるシーンとか、サイドブレーキを戻して脱出とか、細かな演出も施され、全体的にアップデートされている。
とはいえ視聴中は、「ありきたりになった」という印象を拭えなかった。原典のバーバラやベンがよかったわけではないが、リメイク版はキャラクターがステレオタイプになって先の展開が読めてしまうのだ。まぁ、映画ファン特有のうるさい注文だな。

しかし最後で評価が変わる。
自警団は、かつて隣人だったゾンビを吊るしたり、叩いたり、闘犬のように争わせて遊んでいた。法治が崩れ、人間性がむき出しになっている。バーバラもゾンビでない人間を撃った。彼女もまた怪物だった。人間性を保って死ぬより、怪物として生きるほうがいい。なぜなら、人間の時代は終わったから。

ゾンビ映画をたくさん見た人には退屈で、ありきたりな映画だっただろうが、意味のあるリメイクだったと思う。

妄想リメイク(ゆっくり文庫)

自分なりに翻案・整理した動画を作成した。96分の映画を19分で鑑賞できるので、見てください。編集後記もあるよ。

ジョージ・A・ロメロ
ゾンビ映画
ほか
リメイク・続編

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