ポゼッション The Possession

2ツ星

「アーミーズー！」

サム・ライミ版『エクソシスト』。美少女が悪魔に取り憑かれ、奇行を働く。父親が異常に気づくが、離婚協議のため対処が遅れる。
原因としてアンティークの箱がある。キリスト教的なバックグラウンドは弱く、エクソシストが見つかる過程もいささか不自然。

父親にぶたれたフリして身を守る。CTスキャンでカメラ目線。念動力で相手をふっとばす。悪魔の行動はいちいち派手。悪魔らしいところが、らしくない。まぁ、箱に封じられていたものの正体はわからないけど。

悪魔に立ち向かう父親は善良で、屈託がない。娘が悪魔に取り憑かれたと言うのに、まったく絶望しない。最初から最後まで、愛に満ちている。事件による喪失も成長もない。
母親の再婚相手が殺されているが、悪魔の気まぐれか、少女の潜在意識か、判然としない。妻も注目していない。再婚相手が最大の犠牲者。ほかはみんなハッピーエンド。むはー。

怖くない悪魔だった。