風立ちぬ The Wind Rises

2013年 アニメ 5ツ星 実話に基づく 恋愛 戦争 @宮崎駿&ジブリ

いやいや、おもしろかった

宮崎監督は製作意図について、下記のように述べている。

この映画は戦争を糾弾しようというものではない。ゼロ戦の優秀さで日本の若者を鼓舞しようというものでもない。本当は民間機を作りたかったなどとかばう心算もない。自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。

まさにそのとおりの映画だった。本作を見ちゃうと、戦争を糾弾する映画も、ゼロ戦の優秀さを誇る映画も、本当は民間機を作りたかったと悔いる映画も、底の浅いものに思えてしまう。見せたいものを見せ、見せたくないものを伏せる。まさにアニメ映画の真骨頂。驚嘆すべき映画だった。

庵野秀明の声も、笑っちゃうほど合っている。考えや気持ちが表情に出ない堀越二郎にぴったり。菜穂子の奥ゆかしさ/したたかさもリアル。宮崎監督はこれほど女を描けたのか。ぞくりときた。

全編通して説明が少ない。数秒のナレーションかモノローグが入るべきところを、お芝居だけで表現している。これが映画か。畏れ入った。

宮崎駿、スタジオジブリ
宮崎駿監督作品/ジブリ以前
宮崎駿監督作品
スタジオジブリ
ゲーム
関連作品
妄想リメイク

関連エントリー

2013年 アニメ 5ツ星 実話に基づく 恋愛 戦争 @宮崎駿&ジブリ
コクリコ坂から

コクリコ坂から

From Up On Poppy Hill
2011年のアニメ ★1

もう、やめろ 宮崎駿が惚れて、企画して、脚本も書いたのに、監督だけ息子にやらせるなんて残酷だ。吾朗氏が「やりたい」と言ったかもしれないし、「やるしかない」と思っているかもしれないが (...)

借りぐらしのアリエッティ

借りぐらしのアリエッティ

The Borrower Arrietty
2010年のアニメ ★2

「君たちは滅びゆく種族なんだよ」 だから? あらすじ 小人の少女・アリエッティは、父と母の3人で古い屋敷の床下に暮らしていた。小人は人間からさまざまなものを少しずつ借りて生活してお (...)

ハウルの動く城

ハウルの動く城

Howl's Moving Castle
2004年のアニメ ★2

宮崎アニメのよさが失われた作品 いろいろ解釈することはできるけど、そうした努力なしに楽しめないのは残念。宮崎アニメのよさは、重厚なテーマを取り扱いつつもわかりやすかったこと。その意 (...)

耳をすませば

耳をすませば

Whisper of the Heart
1995年のアニメ ★2

このネタに、このリアルさは毒だ 映画に描かれる団地や町中の風景は驚くほどリアルだ。アニメでここまで精緻に描く必要はない。なんのためにリアルに描いたのか? ヒロイン・雫が小説を書き上 (...)

海がきこえる

海がきこえる

Ocean Waves
1993年のアニメ ★3

なまじリアルだと、ハッピーエンドは楽しめない ありそうな性格、ありそうな物語......。等身大の高校生が描かれていると思う。それゆえ楽しめない。 もし、この話を友人から聞いたらど (...)

おもひでぽろぽろ

おもひでぽろぽろ

Only Yesterday
1991年のアニメ ★3

それでよいのでしょうか? 27歳のタエ子がいる「現在」は1982年(昭和57年)だから、私が11歳のころか。奇しくも小学5年生の時だな。駅や車の雰囲気が懐かしい。さらに16年さかの (...)

ページ先頭へ