ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 Harry Potter and the Deathly Hallows PART1

2010年 外国映画 3ツ星 ファンタジー 主人公は子ども 学校

先入観のせいか楽しめず

「ハリー・ポッター」シリーズ最終章の前編。ずっと原作小説一冊ずつ映画化してきたのに、最終章だけ前後編というのは、「カットできるシーンがないから」ではなく、「2倍儲けたいから」という商売人の意図が感じられる。余った時間でこれまでの流れを振り返り、最終決戦のポイントをわかりやすく示してくれる、なんてことは期待できなくて、本来ならカットすべきアクションシーンが増えて、間延びした印象になるだろうなと、見る前から思っていた。なので視聴後の感想も、あぁ、やっぱりとしか思わなかった。先入観のせいや、原作小説を読んでないせいかもしれないが、個人的感想だから仕方ない。

あらすじ
  • ヴォルデモート卿を倒すためには「分霊箱の破壊」が必要。
  • スネイプがホグワーツ校長に就任。死喰い人に掌握される。
  • 「分霊箱」を探す過程で「死の秘宝」の伝説を知り、ルーナの父親に会いに行く。
  • 「死の秘宝」は、ニワトコの杖、蘇りの石、透明マントの3つだった。
  • ルーナは連れ去られていた。死喰い人の襲撃を受け、ハリーたちも捕まる。
  • マルフォイの館の地下牢でルーナと合流。
  • 脱出するが、ドビーが死ぬ。
  • ヴォルデモート卿はニワトコの杖を手に入れる。

ヴォルデモート卿は3つの「死の秘宝」を得たい。ハリーたちは「分霊箱」を見つけて、ヴォルデモート卿を封じたい。ハリーたちを導き、守ってくれるものはなく、自分たちの力だけ解決しなければならない。

構図は単純なんだけど、いまひとつ没入できない。ハリーたちが成長して、「がんばる子どもたち」というイメージが消えてしまったせいか? 初期の頃にあったファンタジーな雰囲気もなく、ホラー映画になってしまったのも戸惑うところ。
ホラー映画としてみると、ドビーのようなキャラクターは不似合いだ。と思ったら殺されてしまった。みんな悲しんでいるが、やはり感情移入できない。「どうせ生き返るさ」と思ってしまう自分がいる。ダンブルドアの死も、まったく信じていない。

「死の秘宝」は唐突だった。透明マントをその1つに加えることで、「あれがそうだったのか」と思わせたいようだが、むしろ違和感が増してしまった。しかも「分霊箱を見つけてヴォルデモート卿をやっつける」という主目的に対し、「ヴォルデモート卿が3つの死の秘宝を揃えるのを阻止する」は付加要素でしかない。このあたりも物語の集中をさまたげている。

次でシリーズ完結。期待感は高まらない。


ハリー・ポッター
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