オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow / Live Die Repeat: Edge of Tomorrow

2014年 外国映画 5ツ星 SF:ファーストコンタクト タイムトラベル 地球外生命 戦争

「ここから先はわからない」

ストーリー

近未来、地球は「ギタイ」と呼ばれるエイリアンに侵略されていた。女性兵士リタの奇跡的な活躍によって反撃の糸口を掴んだ軍は、大規模な反撃作戦が決行する。
主人公ケイジ少佐は作戦中に特殊な個体(アルファ・ギタイ)を倒すが、戦死した。気がつくと2日前。同じことが起こり、同じように殺され、ループを繰り返すようになる。

ケイジ少佐はリタもループを経験していることに気づく。ループは、ギタイが不利になると時間を巻き戻す兵器だった。このままでは反撃作戦は失敗し、人類の滅びてしまう。同じ能力を得たことでリタは英雄となったが、能力は失われている。ケイジ少佐が「オメガ・ギタイ」を倒すことでループを脱することができる。
ケイジ少佐は「死んで覚える」を繰り返し、オメガを倒した。

ループが解除され、人類はオメガに勝利した。リタも生きていたが、自分との記憶はない。ここから先はわからない。ケイジ少佐は微笑むのだった。

やー、おもしろかった。
ループを脱したいなら輸血すればいいが、このままでは人類は滅びてしまう。ただループを脱するのではなく、敵のループを食い止め、人類を勝利に導かなければならない。その発想に驚嘆する。

しかしループ中は、リタを死なせないことで頭がいっぱいになる。不自然といえば不自然だが、愛がなければ狂ってしまう。ケイジ少佐がループしてるあいだだけ、勝利の可能性があるのだ。

タイムループがエイリアンの戦略兵器という設定も新鮮だった。セーブ&ロードを繰り返せるなら、どんな戦争にも負けない。侵略戦争が起こるわけだ。「ループできない」「これからどうなるかわからない」となれば、ギタイは戦争を起こせないだろう。あるいはそれが、ラストの背景かもね。

ケイジ少佐は能力を喪失した状態で、オメガを倒さなければならなくなった。やり直せない。絶望的な挑戦に、これまで「脈なし」とされた将軍とJ分隊が協力してくれる展開は胸が熱くなった。たまらんな!

ラスト、なにがどうなったのか、説明はない。戦争が終わって、リタが生きている。これから先のことはわからない。それはなんと素晴らしいことか。ケイジ少佐の笑顔で映画が終わるのも、たまらない。

トム・クルーズ主演で単調になるかと思ったが、へっぽこ軍人をスタート視点にすることで、意外性と納得の双方を得ている。うまいキャスティングだ。

おもしろかった。

ページ先頭へ