[レビュー1965年10月01日に発表された 

昭和残侠伝 Remnants of Chivalry in the Showa Era

任侠映画
更新日:2016年06月30日(木) 05:15 [Edit]

滅びの美学

2014年11月、高倉健さんが亡くなった。さっそくテレビ局は追悼番組を企画したが、ヤクザ映画は選ばれなかった。暴力団追放が進められる世情に配慮したのだろうか? しかし高倉健のヤクザ映画はヤクザを否定するものばかり。「滅びの美学」を描いた映画が、暴力団の礼賛になるとは思えない。歴史を振り返るいい機会だったのに、テレビ局の自主規制はほんとに有害だ。

終戦直後、町も人の心も荒れ果てていた。義理人情に縛られる古い組織は、新興勢力に対抗できず、堪えて、堪えて、堪えて、ついに爆発する。勝って縄張りを広げたいわけじゃない。ただ男のスジを通すだけ。
怒りゲージを溜めて暴力をふるうアクション映画は多いが、法の裁きを受けるところが決定的に異なる。このフォーマットがなぜ心に響くのだろう。不思議だ。現代の若者たちが見たら、どう感じるだろう?

映画だからファンタジー要素はあるだろうけど、当時の情景を知るのにちょうどいい。教科書を読むより多くを学べるはずだ。先生と生徒で道徳について考えてほしい。まぁ、臭いものに蓋をする学校教育じゃ、そんな授業は望めないか。

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