[レビュー1963年06月24日に発表された 

ミス・マープル/寄宿舎の殺人 (アガサ・クリスティーの葬儀を終えて) Murder at the Gallop

探偵 @アガサ・クリスティ
更新日:2020年08月12日(水) 16:49 [Edit]

キャラが立ってる

あらすじ

慈善団体の寄付を募ろうと屋敷を訪ねたミス・マープルは、老人・エンダビーが階段を転げ落ちて死亡する現場に居合わせる。これは事故ではなく、エンダビーが猫を恐れていたことを利用した殺人であると直感するが、警察は相手にしない。

やむなくマープルは遺言公開の席を盗み見る。遺産を相続するのは4人。従兄弟のジョージ(画商)、姪のロザムンド、甥のヘクター(ギャロップホテルの経営者)、妹のコーラ。コーラが「兄さんは殺されたんでしょう?」といい出したことで、場は騒然となる。

翌日、ミス・マープルがコーラに会いに行くと、彼女は背中を刺されて死んでいた。コンパニオン(話し相手)のミス・ミルクリストは、ミス・マープルが殺したと思い込んで騒ぎ出す。

エンダビーは自分の生命が狙われていることをコーラに告げていた。そのとおりエンダビーは死に、コーラも口封じされた。4人の相続人が疑わしい。ミス・マープルは、彼らが滞在するギャロップ・ホテルに部屋を取って、動向を探る。エンダビーの殺害現場で見つけたドロは、ジョージのブーツの足裏と合致した。しかしジョージは何者かによって馬小屋に閉じ込められ、馬に蹴られて死んでしまう。

マープルは犯人をおびき出すため、ダンスパーティーで心臓発作を起こしたふりをする。夜、部屋に忍び込んできた人間を警察が逮捕。犯人はミス・ミルクリスト。コーラが所有する絵に知られざる価値があったため、それを受け取るためコーラを殺害。コーラに変装して遺言公開の席に赴き、エンダビー殺害が生命を狙われていると吹聴したのだった。

マーガレット・ラザフォード主演の『ミス・マープル』シリーズ第2弾。どういうわけか、ポワロの『葬儀を終えて』を原作にしている。タイトルに「After the Funeral」とないから、オリジナルエピソードと思ってしまった。

遺言公開の様子を盗み見るは強引だが、事件の最初から探偵が介在するのはいいね。コーラの顔や話し方が事件解決のヒントになる展開は無理がある。だれにも相手にされなかったミス・ミルクリストの悲哀もない。このあたりはスーシェ版がいいね。

ラザフォード版は、とにかくミス・マープルの存在感に圧倒される。警察を含め、だれの協力も得られない。「事件を調査しています」と言うこともできない。よって、みんなが寝静まった夜に部屋を抜け出して、こそこそ調べ、人影が見えたら隠れる。私も推理ドラマはたくさん見てきたが、ちょっと類例のない切り口だ。

不気味な使用人、ミス・マープルへの求婚、自分を囮にして犯人を捕まえる展開は、第一弾「夜行特急の殺人 (パディントン発4時50分)」と同じだが、悪くない。肩を出したドレスを着て踊り、みんなの注目を集めるシーンは、ヤリスギとは思うが、おもしろかった。

マントをひるがえし、のっしのっし歩き、自分が納得するまで捜査をやめない。原作のミス・マープルとは似ても似つかないが、これはこれで味わいがある。

アガサ・クリスティ
ポワロ
デビット・スーシェ (David Suchet) デビット・スーシェ (David Suchet)
ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov) ピーター・ユスティノフ (Peter Ustinov)
声:里見浩太朗 声:里見浩太朗
  • アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル
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  • 安マンションの謎
  • ABC殺人事件
  • 総理大臣の失踪
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  • 二十四羽の黒つぐみ
  • ダブンハイム失踪事件
  • 雲の中の死
 
ミス・マープル
マーガレット・ラザフォード (Margaret Rutherford) マーガレット・ラザフォード
アンジェラ・ランズベリー (Angela Lansbury) アンジェラ・ランズベリー
ヘレン・ヘイズ(Helen Hayes) ヘレン・ヘイズ
ジョーン・ヒクソン (Joan Hickson) ジョーン・ヒクソン
ジェラルディン・マクイーワン (Geraldine McEwan) ジェラルディン・マクイーワン
ジュリア・マッケンジー (Julia McKenzie) ジュリア・マッケンジー
声:八千草薫 声:八千草薫
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