ABZU (PC) ABZU

2016年 ゲーム 3ツ星 宝探し

本物の海じゃない感じ

『風ノ旅ビト』(2012)で知られるMatt Nava氏の新設スタジオGiant Squidが手がける水中探索アドベンチャー。グラフィックは美しいが、アクション要素、パズル要素もなく、あっちこっちのポイントをまわるオリエンテーリングだった。
さらにストーリー性もない。なにやら海のパワーを復活させているようだが、主人公はどこの誰で、なんのため活動しているのか、その結果、世界がどう変わるのか、まったくわからない。「なんとなくいいことをしている感じ」はするが、それだけ。

もっと言えば、美しすぎて海らしくない。そりゃ魚がたくさんいて、きらきら光ればきれいだが、これだけ生物がひしめき合えば水が淀む。私も本物の海に詳しいわけじゃないが、本物の海らしくない。するとここは概念的な海か? あるいは遠い惑星か? であれば、実在の魚を作り込む必要はあるまい。ゲーム性があるゲームなら、こんなこと気にならない。まぁ、クリスチャン・ラッセンの絵画のように、現実と切り離して見るべきだろうな。

環境を楽しむゲームでありながら、「もう一度やろう」って気にならないのは致命的な気がする。



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