生まれを克服できたのか?
朝倉リクは宇宙人。両親を知らず、地球人の善意によって育てられた。あるとき、自分が宇宙の大悪党・ベリアルの息子であり、ウルトラマンジードに変身できることを知らされる。リクは地球の平和のため戦うことを決意する。
リクは底抜けの善人で、屈託がない。自分の姿がベリアルに似ていることから、守っている地球人に警戒されても、怒ったり、やけっぱちになることはない。リクにとってベリアルは排除すべき敵だ。父を更生させたいとか、悪に堕ちた事情を知りたいとか、まったく思わない。そもそも母親への興味がない。さすが宇宙人である。
リクに屈託がないから、成長もない。ウルトラマンゼロに変身するサラリーマン(伊賀栗レイト)の苦悩も、宇宙人の手先となって働く地球人エージェント(愛崎モア)の信念も、リクには関係ない話だ。
企画段階でリクを「闇落ち」させないことが決まっていたそうだ。なるほど「闇落ち」は手垢のついたパターンだが、それに代わるドラマが描かれたようには見えない。そのぶんペガが悩んでくれたが、リクを傷つけるほど敵対しない。
個々のアイデアはいいが、全体のドラマ構成は弱い。そんな作品だった。
おもちゃについて
ジードのコレクションアイテムは、ウルトラカプセル。ジードライザーで2本をリードして、性質が融合した姿に変身(フュージョンライズ)する。仕組みはオーブリング、ウルトラフュージョンカードと同じで、目新しさはない。2ヶ月遅れでスタートした「仮面ライダービルド」のフルボトルに比べ、だいぶ見劣りする。
ウルトラマンゼロビヨンドは4人のウルトラマン(ギンガ、ビクトリー、エックス、オーブ)の力を借りて変身するが、ライザーは2本しかリードできないため、2体ずつ2本にまとめていた。ゼロビヨンドを登場させる予定があるなら、4本リードできるよう玩具設計すべきだろう。ウルトラゼロアイNEOとの組み合わせも、取ってつけたような印象。これまた練り込み不足。
ドラマだよドラマ。ドラマを見せてくれ。
ウルトラマン | ||
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1966 | Q | |
1966 | マン | |
1967 | キャプテン | |
1967 | セブン |
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1968 | 怪奇大作戦 | |
1971 | 帰マン | |
1972 | A エース | |
1973 | タロウ | |
1974 | レオ | |
1979 | ザ☆マン | |
1980 | 80 | |
1984 | キッズ | |
1988 | USA | |
1990 | G | |
1993 | パワード | |
1994 | 平成セブン |
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1995 | ネオス | |
1996 | ゼアス | |
1996 | ティガ | |
1997 | ダイナ | |
1998 | ガイア | |
1999 | ナイス | |
2001 | コスモス | |
2004 | ネクサス | |
2005 | マックス | |
2006 | メビウス | |
2006 | WoO | |
2007 | SEVEN X | |
2007 | 大怪獣バトル | |
2009 | ゼロ |
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2011 | ゾーン | |
2013 | ギンガ | |
2015 | X エックス | |
2016 | オーブ | |
2017 | ジード | |
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