沈黙 -サイレンス- Silence

2016年 外国映画 3ツ星 実話に基づく 歴史

信仰は勝つってこと?

ストーリー

江戸時代初期、ポルトガルのロドリゴ神父は、キリスト教を禁じられた日本に潜入するが、裏切りによって捕縛され、拷問によって棄教した。ロドリゴは神の沈黙に絶望するが、そのときはじめて神の声を聞いた。
ロドリゴは目に見えるいっさいの信仰を捨てて暮らし、亡くなった。しかし小さな信仰が残っていた。
(おわり)

映像美に圧倒される。無音に引き込まれる。拷問シーンは凄惨だが、ことさら見せつけるわけじゃない。うまい。また拷問を指揮する奉行たちの表情・言動が複雑で、拷問そのものが目的でないことが伺い知れる。日本が悪、神父は正義と単純化されてない。

欲を言えば当時の世界情勢──ポルトガル、イエズス会、豊臣秀吉の事情を解説してほしかった。バテレン追放令の歴史的背景を踏まえないと、印象が大きく変わるんじゃなかろうか。
また神父たちが「2人だけの軍隊」と乗り込むが、なんの算段もなかったことに驚く。彼らは馬鹿だったのだろうか?

おもしろかったが、わかりにくい。神が沈黙する意味を問う物語だから、難解になるのも無理ないが、もう少し直接表現があってもよかったのではないか。うーん。
ロドリゴ神父は神の声を聞いた。その奇跡は彼の人生に、どんな福音をもたらしただろう? フェレイラ神父は神の声を聞いたのか? 聞いていなかったとしたら、ふたりの人生にどのような差が生じただろう?

「信仰は勝つ」、で、いいのだろうか?