MAMA Mama

2013年 外国映画 4ツ星 モンスター 家族 幽霊

「ママ」になる2人の女性。

ストーリー

森の中に取り残され、「ママ」と呼ばれる超常的な存在に育てられた幼い姉妹ヴィクトリアとリリー。5年後に発見され、叔父ルーカスの家に引き取られるが、不可解な現象が起こりはじめる。
ルーカスは事故で入院し、ルーカスの恋人アナベルが母親代わりになる。ドレイファス博士は「ママ」なる存在に興味をもち、100年以上前に亡くなった精神異常者イーディス・ブレナンにたどり着く。
イーディスの魂が現世に残り、「ママ」として姉妹を守り、育て、執着している。ママは姉妹をあの世に連れて行こうとする。アナベルとルーカスは食い止めようとするが、妹リリーはついていってしまった。
(おわり)

野生化した姉妹が強烈。見返すとそれほどでもないが、初見のインパクトは絶大だった。しかし文明は少女の汚れを洗い落とし、ふつうに戻す。メガネのあるなしが差を生んだのは興味深い。

アナベルは結婚してないし、姉妹は自分の子でもないが、母性を発揮していく過程はおもしろい。お約束でも応援したくなる。
イーディスも霊体に変貌したが、愛する子を求めている。うまく対比されてないが、姉妹と血縁のない2人の女声が、ママになろうとうする映画だった。

ルーカスを兄の霊が導くのは不可解。ママの精気を吸い取る攻撃もチープ。終盤はご都合展開が目立ち、これまでの演出と噛み合ってない。美しいラストを目指すなら、もうちょい別の演出にするべきだろう。
もともとは1シーンだけのショートホラーだったらしい。1つのイメージにストーリーを付け足したから、ちぐはぐになったのか。

結局、「ママ」はなんだったのか? 実体があるのかないのか、理性があるのかないのか。成仏とはいかなる状態か。スティーブン・キングなら「大地に眠る精霊と異常者の魂が結びついて」といった説明をしただろう。重要ではないが、説明はあったほうがいい。


※元になったショートホラーフィルム。

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