フーディーニ&ドイルの怪事件ファイル 謎解きの作法 (全10話) Houdini & Doyle
2016年 海外ドラマ 3ツ星 探偵 推理半端な「X-ファイル」。
19世紀末のイギリスを舞台に、心霊、超能力、宇宙人といった超常現象事件を解明していくテレビドラマシリーズ。作家コナン・ドイルがモルダー、奇術師フーディーニがスカリーに相当するが、この2人がコンビを組む理由がさっぱりわからない。実在した人物をモチーフにした意図がわからない。
ドイルは超常現象を証明しようとするが、妻が昏睡状態で、子どもが多感な年頃なのに、なにやってんだか。ドイルは妻の治療でも心霊を変調する。科学的な判断ができる状態ではない。
フーディーニは超常現象を否定する立場だが、やはりドイルを追いかける理由はない。公演もあるのに、なにやってんだか。マザコンで、お母さんの描写はどうにも不自然。実在するかどうかも疑わしい。
そんな2人のあいだにアデレード・ストラットン巡査がいるわけだが・・・要というほど重要じゃない。フーディーニは熱心にアタックするけど、美人だからであって、人格や能力を認めているように見えない。そもそも母親と異なるタイプで、ウソっぽい。アデレードは美しく、謎が多いため、当時の女性差別を描くには不適切。超常現象への興味もない。なんでこんな人物造形にしたのか?
黒人が頻繁に登場するのも、政治的な配慮に見えてしまう。「当時の差別」を盛り込もうとするあまり、リアリティが失われ、別世界に見えてしまってる。興ざめする。
ときおり地下鉄での移動シーンが描かれる。窓が狭く、コンテナのような密閉空間は、むしろ未来的に見えてしまう。当時の地下鉄はあんな雰囲気だったのかな?
シリーズを終えて、「つづきを見たい」という気持ちが起こらなかった。しっかり作ってあるのに、もったいない。
# | タイトル | 原題 | コメント |
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1 | 亡霊殺人 | The Maggie's Redress | 幽霊による連続殺人。幽霊がいると思いたい加害者の犯行。 |
2 | 魂の復讐 | A Dish of Adharma | 殺された男が子どもに宿り、復讐を果たす。殺された男の子どもが、父親に成り代わって復讐していた。 |
3 | 神の手 | In Manus Dei | 神の御業で癒やす神父。奇跡を信じたい妹が反対者を抹殺していた。 |
4 | 怪人バネ足ジャック | Spring-Heel'd Jack | 怪人による殺人事件。記者が犯人だったけど、未解決部分が残った。 |
5 | 霊の語り手 | The Curse of Korzha | 霊媒師が誘拐された少女を見つけ出す。じつは推理だった。 |
6 | ネザームアのエイリアン | The Monsters of Nethermoor | 火星人がやってきて娘が行方不明に。隕石は本物で、地下に半世紀も住んでいた避難民が救っていたのだった。 |
7 | ベドラムの悪魔 | Bedlam | 教会で吸血鬼が死んだ。精神科医が、恐怖を取り除く研究をしていた。妄想ホームズかっこいい。 |
8 | 吸血鬼ハンター | Strigoi | ブラム・ストーカーは吸血鬼なのか? 吸血鬼を信じる一派が暗躍していた。 |
9 | 死者との通信 | Necromanteion | 悪霊が紳士を串刺しにした。エジソンが発明した霊界通信機は本物か? 助手による細工だった。 |
10 | 静かなる殺し屋 | The Pall of LaPier | 50名近い村人が同時に死亡し、神父と少女が生き残った。死因はガス中毒。大統領暗殺との関連がよくわからなかった。バスカヴィルじゃホームズは復活しない。これが読めたら夢ではない。なんだったの? |