ワンダーウーマン Wonder Woman

2017年 外国映画 4ツ星 ヒーロー 戦争 超能力 @DCコミックス

神様かあー

不可解な設定が多くて困る。アマゾン族はどうやって子どもを作るの? どうしてセミッシラを世界から隔絶されてるの? そんな世界で、どうやって数百の言語や化学式を学べるの? ヒッポリタ女王がダイアナを戦士にしたくなかった理由は? アマゾン族が想定した敵はだれ? ダイアナは不老不死っぽいけど、アマゾン族はみんなそうなの? ヒッポリタ女王はダイアナに「二度と帰れなくなる」と言ったけど、帰れないの、帰らないの? 私は「ワンダーウーマン」のことをなにも知らずに見たが、アメリカ人なら常識なの?

ともあれ、屈強の美女が第一次世界大戦を止めるため、ロンドンにやって来たのはわかる。ダイアナの扱われ方は未開民族のそれ。『ポカホンタスII/イングランドへの旅立ち』(1988)を彷彿させる。屈強だの高貴だの言っても、しょせんは小娘。トレバーは紳士として接するが、かすかにダイアナを侮っている感じがする。なんだかなぁー。
と思ったら、塹壕戦から一気にヒートアップ。ダイアナが強いのはわかっていたが、ここまでとは思わなかった。柔肌をさらしつつ、戦車より堅牢。目に見えるところは、どこでもジャンプ。すんげぇ。トレバーが、ダイアナの能力をあてにせず作戦を立てたのは、むしろよかった。

そっから先はペースダウン。トレバーだけでなく、仲間たちの戦う理由──正義が見えない。とりわけチャーリーは狙撃の腕間を見せてくれず、もやもやした。
そうこうしてるうちに飛行場で最終決戦。本気になったダイアナは、神そのもの。そうか、神様なら強いのも美しいのもアリか。ダイアナを人間の女性と見ていた映画序盤がなつかしい。しかし「戦争こそ人間の本性」とか言われても困る。ダイアナはそれに反対するだけの論拠がない。これがテーマになるなら、セミッシラの時間を切り詰め、市井との関わりをもっと描くべきだった。

しかし足りないところを、トレバーが埋める。浮ついた男と思っていたし、ほかに方法がなかったのか疑問ではあるが、彼の死はワンダーウーマンの物語に不可欠だった。ようやっと戦う理由を掴んだのだ。ちょっと安直な気もしないでもないが、男女逆のパターンを想像すると、これはこれでいっか。

最後に『アベンジャーズ』の予告が入った。と思ったら、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)が先行していた。まだ見ていないのだが、興味が湧いた。いろいろ粗いが、ワンダーウーマンの活躍をもっと見たいと思うだけの魅力はあった。

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  • II/冒険篇
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