レフト・ビハインド Left Behind

2014年 外国映画 2ツ星 カルト パニック 飛行機

これが神の救済か。

主人公は旅客機パイロット。世界各国で数百万人の人間が突然消えたため、緊急着陸せざるを得ない。しかし空港も混乱して使えない。地上にいる娘の協力によって、なんとか建設中のハイウェイに着陸させた。

・・・で?

人が消えた理由は最後まで明かされない。これからどうなるかの展望もない。なんなんだ?

ネットで調べて、「神が選ばれた人を救済した結果、残された人が混乱した」という前提がわかった。なるほど消えた人間の共通項は、神を信じること、神に選ばれることだったか。

・・・で?

この世の終わりがはじまったわけじゃない。天に召された人々をうらやむこともない。消えたショックはあったが、やがて収束するだろう。
神を信じる人間が消えたことで、宗教は存在意義を失う。残された聖職者はつまり「選ばれなかった人たち」だから、影響力はない。いや、影響を受ける信者もいなくなる。文化的な変質はあるだろうが、人類の歴史はつづくだろう。
してみると神の救済は、間引き、大量殺人と変わらない。

本作の意図は「予定説」の欺瞞を暴くことだったかもしれないが、映画からテーマは読み取れなかった。シリーズ第一章としても弱い。

「神の救済から20年が過ぎた」くらいのオープニングで描いてほしかった。

ページ先頭へ