レディ・プレイヤー1 Ready Player One

2018年 外国映画 3ツ星 SF ロボット 宝探し 怪獣 電脳

結局、リアル至上か。

 停滞した未来社会で、人々はVR世界「OASIS」に熱狂していた。莫大な遺産と運営権をめぐって、若者たちと企業が激突する。VR世界ではハリウッドだけでなく、日本のアニメや特撮のキャラクターが多数登場する。
 魅力的な世界観だが、見てみると微妙だった。映像は素晴らしいけど、映画の主題が「リアル至上」でがっかりした。

 アルテミスの正体は美少女。ハリデーはオアシスの安定や発展より、自分恋心の理解者を求める。パーシヴァルは仲間たちと意気投合。勝利したら、リアルでイチャイチャするため休養日を制定した。VRはリアルあってこそ。なによりリアルが大事なのだ。

 こうなると世界観の甘さが気になってしまう。企業IOIは拉致監禁、強制労働、破壊、殺人、なんでもござれ。そのくせ興奮した人々は、VRでもリアルでも命がけの抵抗をする。どうなってんの? ゲーム脳じゃないか。

 VR世界なら生まれの性別、体格、年齢、家柄に制約されず、精神性だけで勝負できる。だから現実では愛し合えないカップル、会話できないグループのほうがオアシスの長所を描けたはず。
 いや、監督の意図は逆だ。VR世界を起点に据えてはいけないと言っている。それはそれで正論だが、だったらこんな映画を作らないでほしい。キャラクターの使い方も雑。オタクの夢を、よくわかってない一般人が映像化したようだ。
 いや、まぁ、ふつうにおもしろかったけどね。

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