アルカディア The Endless
2017年 外国映画 4ツ星 カルト サスペンス ホラー油断すると納得してしまう怖さ。
ストーリー
過保護な兄と、優柔不断な弟。ふたりは10年前、自給自足のカルト集団「アルカディア」から逃げ出していた。しかし社会に馴染めず、記憶があいまいな弟はアルカディアが恋しくなる。兄弟は踏ん切りをつけるため、村にもどる。
村は10年前とまったく変わらない。兄がカルト集団と暴露したことは、嘘だったと判明する。兄は直感的に危険を感じていたが、それがなんであるかわからない。
アルカディアの住人はループに閉じ込められていること、なにかに監視されていることが判明する。兄弟は協力して村から逃げ出す。
よくあるカルト集団と思われたが、実体はもっと強大で、不可解なものだった。なぜ年をとらないのか? なぜ月と綱引きできるのか? なぜ月が2つに見えるのか? ちょいちょい奇妙なことが起こるが、それっぽい説明を聞いて納得しかける。いやいや、おかしいだろ。この感覚がたまらない。
エンディング。兄弟の車はガソリンがないのに走っているが、もともとメーターが壊れていたのか、まだループの中にいるのか? ハッキリしないところが恐ろしい。
しかし映画の方向性がわかるまでは、ダルい。村人たちが平然と暮らしているのは、演技なのか、ループなのか? 記憶は継承されるはずだが、よくわからない。
ループの間隔が個人ごとに異なる設定は珍しい。ループが短いと、なにもできないが、死ぬこともできない。なかなか怖い。
弟は「みじめな現実より幸福なループがいい」と訴えるが、監視されていると知って逃げ出す。心的変化がわからない。
結局、なにが起こっていたのか、わからないところも怖い。冒頭にも述べられたように、未知への恐怖は強い。まるで期待せず視聴したが、あんがいおもしろかった。