どろろ (2019年版/全24話) Dororo

2019年 アニメ 3ツ星 チャンバラ モンスター:妖怪 和風 超能力 @手塚治虫

整理されたが、まだ足りぬ。

ストーリー

戦国時代。醍醐の国の領主・醍醐景光は、鬼神に領土の守護を求め、代償として産まれたばかりの息子が部位を差し出した。11の鬼神に11の部位を奪われた息子は、寿海という僧侶に拾われ、義肢と「百鬼丸」の名をもらって生き延びた。
16歳になった百鬼丸は、鬼神を殺して自分の身体を取り戻す旅に出た。道中、どろろという盗人が伴になった。鬼神を倒すたび、肌や足、耳、声などを取り戻していくが、生身ゆえの弱さもあった。ミオという少女が殺されたことで、百鬼丸は人間に絶望。鬼神を倒すことだけ考えるようになる。どろろは、百鬼丸が鬼になってしまうと危惧する。
鬼神の守護が失われ、戦や疫病で国が乱れ始めた。百鬼丸の弟・多宝丸は、百鬼丸こそが国を滅ぼす鬼神と考え、果敢に挑む。死闘の末、百鬼丸は多宝丸と残る鬼神を倒し、すべての身体を取り戻した。
百鬼丸は父を殺さず、いずこかへと去った。どろろは亡父が残した財宝で新しい国を作ると決意する。
(おわり)

だいぶ整理されているが、「戦争はよくない」「武士はいけない」「子どもは正しい」「民衆は犠牲者」という倫理観が強く、結論ありきの物語になっている。

鬼神はいかなる守護を与えたのか?
鬼神にたよることの問題は?
鬼神がいなければ平和になるのか?
隣国からどう見られているのか?
民衆は奴隷なのか?

どろろは「百鬼丸に苦難を押し付けず、すべての民が強くなればいい」と提唱するが、そうならないことは歴史が証明している。しょせん子どもの夢と思ってしまうのは、私がつまらない大人になったためか。

絵のクオリティは高いが、『鬼滅の刃』ほど盛り上がらない。やはり百鬼丸が淡白すぎる。国が乱れようとも生身がほしいなら、取り戻して満足したのか聞いてみたかった。ミオに欲情したり、どろろを特別視する変化があれば、もうちょい親しめだろうに。

鬼神もいまひとつ。『魍魎戦記マダラ』のような個性や、『ワンダと巨像』のような威圧感がほしかった。多宝丸、兵庫、陸奥は百鬼丸の部位をもらったのに、ぜんぜん強くならなかったのはがっかり。

次のアニメ化に期待。


どろろ

関連エントリー

2019年 アニメ 3ツ星 チャンバラ モンスター:妖怪 和風 超能力 @手塚治虫
どろろ (実写映画)

どろろ (実写映画)

Dororo
2007年の日本映画 ★3

今後に大きく期待 三部作らしいので、ストーリーについて語れない。気になるところが、うまく回収されることを願うばかり。 ビジュアルは素晴らしい。ロケ地はニュージーランドらしいけど、中 (...)

火の鳥 (実写版)

火の鳥 (実写版)

HINOTORI
1978年の日本映画 ★3

互いの個性をぶつけあった奇跡の実写化 『黎明編』は、原作漫画を読むまえに実写映画を見てしまったので、ひどく混乱した。のちに漫画を読んでも、実写のイメージが目に焼き付いていて、めまい (...)

RAY THE ANIMATION (全13話)

RAY THE ANIMATION (全13話)

RAY THE ANIMATION
2006年のアニメ ★3

突き抜けないけど、意外に楽しめた まず第1話に吹っ飛んだ。レイという特殊能力者がふつうの病院にやってきたと思いきや、バトルナースに回転院長。ここは魔神の巣窟だった。 そのハイテンシ (...)

手塚治虫のドン・ドラキュラ (全8話)

手塚治虫のドン・ドラキュラ (全8話)

Don Dracula
1982年のアニメ ★2

練馬のやしきはイッツパラダイス♪ 練馬に引っ越してきたドラキュラ伯爵と愛娘チョコラの日常を描いたコメディ。放送当時、私は11歳。興味はあったが裏番組の『ゲームセンターあらし』を優先 (...)

MW-ムウ-

MW-ムウ-

MW
2009年の日本映画 ★1

冒涜的な作品を冒涜的に扱う罪深さ いやぁ、ひどい映画だった。ツッコミどころ満載で、もう笑うしかない。制作サイドの事情は知らないが、本当にひどい。どこがどう駄目で、どうすべきだったか (...)

MW-ムウ- 第0章 ~悪魔のゲーム~

MW-ムウ- 第0章 ~悪魔のゲーム~

MW Chapter 0: Akuma no Game
2009年の日本ドラマ ★3

これがプロローグだって? 『MW』の宣伝用に作られたテレビスペシャル。のちに本編を見たけど、まったく関連がなかった。第0章にそそられ劇場に足を運んだ人は、あまりのちがいに腰を抜かし (...)

ページ先頭へ