8 1/2 (はっかにぶんのいち) Otto e mezzo

1963年 外国映画 3ツ星 ドラマ 狂気

どこから妄想だったのか?

スランプに陥った映画監督が避暑地に逃避して、妄想にふけり、妄想に拒絶され、妄想と和解する話。と、言ってしまえばシンプルだが、わかりやすい映画ではない。妄想シーンは唐突にはじまって、不自然な出来事が増えていき、破綻するのだが、気を抜いてると境界があいまいになる。そもそも監督を取り巻く現実がウソっぽい。監督自身も奥さんも、不自然に美形だ。

監督はテーブルの下で、自分の頭を撃つ。すると映画撮影はキャンセルされ、キャラクターたちの祭りがはじまる。これは死後の妄想か? いつから妄想を見ていたのか? わからない。まぁ、どこからと問えば、すべて映画ですと答えるしかないが。

被造物に祝福されるエンディングは、『新世紀エヴァンゲリオン』を彷彿させる。クリエイターに大きな影響を与えた映画のようだ。

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