アリス・スウィート・アリス Alice, Sweet Alice

1976年 外国映画 3ツ星 殺人鬼

少女は残酷で、ミステリアス?

2022年に2Kレストア版を視聴。カルト的な人気を誇るスラッシャー映画(サイコパスの殺人鬼が集団をつけ狙い刃物で殺害するもの)...なんだけど、私にはあまり刺さらなかった。なるほど不気味で印象的なシーンは多い。仮面を二重にかぶる少女、デブと少女の対比、黄色いレインコート、階段で足を刺す、地下の秘密基地、などなど。でも全体的にぼんやりしていて、いまいちノレなかった。

美少女の双子姉妹が見どころ、と思っていたが、双子じゃないし、片割れはすぐ退場してしまう。「姉・カレンは、みんなに愛される妹・カレンに嫉妬していた」という設定だが、言動と一致しない。カレンはなんでも他人のせいにして、自分が疑われることに過剰反応し、なにかあれば泣き落としをする。なんか、ちぐはぐ。
しかも中盤からアリスは画面に映らなくなる。おばさんが主人公なんだけど、コレジャナイ感が漂う。「アリス・スウィート・アリス」なんてタイトルにするからだ。

2Kレストア版で、肌のシワまで見える。アップが多い映画だから、けっこうきつい。60年代アメリカの情景は興味深い。あと教会で舌を出す儀式も、地味にこわい。

アリスを追いかける刑事と、かばう母親みたいな構図なら、またちがったかもしれないなぁ。

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