第15夜:ウルトラマンの甘露煮

2007年 夢日記
第15夜:ウルトラマンの甘露煮

 海エルフと陸エルフの猛攻によって、城は陥落寸前だった。

 いろいろ不備もあったが、海エルフの強靱さは計算外だった。海の生物を地上に出すと、すごいパワーを発揮するんだな。あなどっていた。

 しかも城下町ではウルトラマンが暴れていた。ビガーッとスペシウム光線が街を灼いていく。この状況で、光の巨人も相手にするのは厳しい。どうすればいい?
すると、うちの嫁がヒントをくれた。

「ウルトラマンの倒し方は3つある。その1つは、お砂糖で煮込むこと……」

 そこで通信は切れてしまった。
 ……私は混乱した。
 あと2つの倒し方も知りたいけど、それ以前に、あんな巨大なものをどうやって煮込めばいいのか? 超巨大な鍋を用意して、その中にウルトラマンを詰め込んで、コトコト煮込みおえるまで暴れさせないでおくには……先に倒しておくしかない!

 あれこれ考えていると、目覚まし時計が鳴りはじめた。

 ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ……・。

 うるさいので止めようとするが、どこにあるのかわからない。えんえん鳴りやまない。これじゃ近所に迷惑だ。私は嫁を起こして、目覚まし時計はどこかと訊ねた。
「この時間に鳴るのはうちじゃないよ」
 言われてみると、ベルの音は窓の外から聞こえてくる。両隣ではなく、上の階が発信源のようだ。
「夏だから、窓を開けて寝てるんでしょ」
 むにゃむにゃと目を閉じる嫁。

 うーん、迷惑な話だ。
 ふと、もっと重要なことがあったのを思い出した私は、嫁を揺さぶって質問した。

「あのさ、ウルトラマンの倒し方の、残り2つを教えてくれ」

 またか、という目で嫁は私を見た。